性器カンジダ症が疑われる時は泌尿器科を受診
性器カンジダ症の原因
真菌の一種のカンジダ属で生じる性器カンジダ症は性器感染症のひとつで、腟と外陰双方の感染が多いことから、一般的に外陰腟カンジダ症と呼ばれています。
5人に1人の女性にカンジダ症が発症すると言われていますし、20代での発症が多くみられ年齢と共に感染率が軽減すると言われているのです。
男性の感染の場合は症状が発生しないことが多いですが、包茎・糖尿病・免疫力が低下している方にはみられることがあります。
健康な人の皮膚・口の中・消化管などにカンジダ菌は存在する常在菌で、免疫力や腟の内部にいる常在菌の作用で、通常は異常に増殖しない状態が保たれているのです。
しかし、免疫力が低下する状態や腟内環境の変化、または腟内の常在菌が減少する状態が生じると、カンジダ菌が異常増殖して性器カンジダ症の発症につながります。
その要因として考えられるのは、日常生活における風邪・疲労・ストレスなどの体調変化、生理周期に伴うホルモンの変化、妊娠や糖尿病、ステロイド剤や免疫抑制剤の使用などがあるのです。
また、抗生物質の服用・陰部の洗いすぎ・刺激の強い石鹸の使用などで、腟内の常在菌が除去されてバリア機能が破壊されることも要因になります。
ちなみに性交が原因で感染する場合は、感染する全体の約5%程度といわれているのです。
主な症状と治療
女性の性器カンジダ症で見られる主な症状としては、外陰や腟の強いかゆみとおりものの増加が挙げられます。
また、かゆみがあるためひっかいてしまうことにより傷を作ってしまうこともありますし、炎症による外陰部に軽い浮腫や軽度の発赤が認める場合も多いです。
異常増殖したカンジダのおりものは、酒粕状・粥状・ヨーグルト状などと表現されて、白色の塊として腟壁や子宮頸部にみられます。
その他の自覚症状としては、外陰部や腟部にヒリヒリと焼けつくような痛み、性交痛、排尿障害があるのです。
一方、男性は症状を訴えることが少なくて、主に亀頭部や包皮に白いカスを認めたり、発赤や赤色の湿疹を認めたりする場合があります。
症状が軽度なら自浄作用で自然治癒する場合もありますが、症状がみられる場合は泌尿器科などで専門医による診察を受けて治療を受けることが必要です。
女性に対する治療は、腟抗真菌薬の腟錠・軟膏・クリーム・内服薬などがあって、泌尿器科の外来では腟洗浄後に腟錠を腟深部に挿入する治療方法がとられます。
またパートナーへの感染を予防のために、性交渉を避けることも治療を考えると重要です。